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2021/11/23 11:25



コスチュームジュエリー、ビジュウファンテジーに憧れてパーツ屋さんを覗いたのが2007年。輸入パーツやヴィンテージ、手作業のパーツにに心をひかれ集めてきました。アクセサリーを製作する中で、オリジナルをどう表現するかはいつも課題で、その独創性をパーツの希少さに委ねるには物足りなく、どうにか形で表現できないかと考えていました。

製作を重ねていく中で、基本金具を含めてパーツをどう重ねるか・・・その接着部分にこそオリジナルが表現されてると思うようになりました。ただ接着面は接着剤やピンでつなげるしか方法がなく、一番重要な部分が一番弱い部分でありました。たくさんのお直しさせて頂く中で、ポイントとしているところから破損してくことを学びました。

そこでろう付けを学びに行きます(2020年)。ジュエリー学校も調べましたが、ハイジュエリーを作りたいわけではないので該当せず、やっと見つけたのが、日本の下町の製作所で行われているワークショップでした。創業70年のプレス加工を主としている製作所で、現在はアクセサリーパーツも手がけています。(プレス加工の凹凸の美しさはピカイチで、オリジナルパーツを作るならココと決めています。)そこで金属の加工、ろう付けを学びます。あとは失敗するしか上達の道はないと、たくさんの数形状のろう付けに挑戦してきました。また、いかに効率よく綺麗に仕上げるかも課題で、熱の量や当て方もその素材ごとに異なることにも気づきました。

作れるデザインが増えてくると、自分のイメージ通りに製作するにはろう付けだけでは難しくなります。ろうの溶ける温度が高すぎて、使いたい素材を壊してしまうのです。そこで扱うようになったのがはんだ付けです。はんだコテは1ヶ月で1本のペースでダメにするくらい、その扱いになれず苦労しました。また、アクセサリーでのはんだの扱いをレクチャーしてくれるところがほとんどないのです。

そんな中、よせものデザイン協会のMasaaki Takanashi先生のHPページに出会います。文化服装学院の非常勤講師もされていて、コスチュームジュエリー製作の基礎知識と技術を教えていらっしゃいます。Takanashi先生ははんだ付けの必要性を伝えていて、ぜひ教えていただきたいとアトリエを訪れまし



最初にTakanashi先生は、私の作った水玉フープを丁寧に見てくださいました。”独学でよくここまで・・・”とその難しい工程を言葉で言い表してくれました。水玉フープの土台は無垢の金属です。くり抜いてあるフープ型ではなくぼってりした無垢です。ぼってりした分熱が伝わりにくくろうが解けず接着が難しいのです。また、つなぎ合わせたいパーツは線の細い花火パーツ3つです。花火パーツは熱に弱くすぐ壊れてしまします。熱の受け方が一致しないパーツ同士の接着だったのです。仕入れた花火パーツをほとんど丸焦げにしたこともありました。それでも諦められないのは、どうしても形にしたい熱量と一回だけ成功したという事実です。その他の作品も見てくださり、たくさんの激励の言葉をいただきました。今までの失敗と火傷の数に意味があったと思えとてもとても嬉しかったです。

た。


影に写る繊細な透け感、ティアラに代表されるTakanashi先生のよせもの技術は、継承されるべき日本の伝統工芸です。数少なくなった日本の職人さんたちの技術がmade in Japanとして改めてもっともっと海外で評価される日を心待ちに。そして私もその一人になれるように、イメージしたものが妥協なく形にできるように技術を磨いて行きたいとつよく想いました。



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